エンジンオイルは必ず指定通りでなければいけないのか?
エンジンオイルには様々な指定があり、そのなかに粘度というものがあります。粘度とは粘りの数値のことで、一般的には粘度数値が低いほど回転の抵抗が減ってエンジンへの負荷が小さくなり、燃費が良くなります。
この粘度数値は、車種に応じて必ず指定のものを使用しなければならないのでしょうか?
実際のところ、売り場には指定通りの粘度を持つエンジンオイルが売られていないケースもあります。もしそうしたケースに遭遇した際に、どのように対応するべきかは知っておきたいところですよね。
粘度を柔らかくする(粘度数値を低くする)のはNG
まず1つ言えることは、指定よりも柔らかい、すなわち指定粘度よりも低い数値のものにしてはいけません。柔らかくしたら回転の抵抗が減り、燃費が良くなるのでは? と思う人もいるかもしれませんが、粘度を柔らかくすることでエンジン内部に必要以上の摩擦が生じてしまい、トラブルの原因になってしまいます。最悪の場合、故障してエンジンが動かなくなってしまう可能性もあり得るので控えるべきでしょう。
右側の粘度を硬くする(粘度数値を高くする)のはある程度OK
逆に多少の範囲であれば指定よりも硬い、すなわち指定粘度よりも高い数値のエンジンオイルを使用しても大丈夫です。ただし左側のウィンターの数値ではなく、あくまでも右側の高温度側の数値です。左側のウィンターの数値を上げた場合は、発進時のオイルの行き渡りが悪くなってしまうので、自動車の燃費に影響が出てしまいます。しかし右側の高温度側の数値に関しては、特段影響を与えることはないので、数値を多少高くしても大丈夫です。わかりやすく言うと、5W-30指定の車に5W-40のエンジンオイルを使用しても大丈夫ですが、10W-30のエンジンオイルを使用するのは控えたほうがいいです。
走行距離が増えたら粘度数値を少し上げるのがオススメ
エンジンオイルの右側の粘度数値を少し上げるタイミングは、走行距離が増えてからがオススメです。どんなに最新のエンジンでも走行距離が長くなることによって自ずと摩擦が進みます。摩擦が進むと、エンジン各部のクリアランスが広がってしまうので、その部分を硬い粘度を使用することで補うことができます。具体的には、走行距離が5万距離を超えてきたあたりから検討を初めてみましょう。
また、粘度の硬いエンジンオイルは音を吸収する効果があるので、エンジン内部のクリアランスが広がったことによって生じる騒音の上昇を多少なりと抑えることもできます。
以上をまとめると、エンジンオイルの粘度数値は、走行距離に応じて右側の数値を上げる分には特に問題ないということになります。指定のエンジンオイルが売られていない場合には、走行距離を考慮しつつ右側の数値が高いものを買うべきか判断するようにしましょう。
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