前回は、戦中にドラム缶が軍需のひとつであったことから産業の基礎を築き、敗戦後には朝鮮戦争をキッカケに日本経済を支える産業のひとつとなったことなどをみていきました。
ドラム缶についてのお話が最終回となる今回は、日本の高度経済成長期にドラム缶がどのように活躍したのか、そして現在に至るまでをクローズアップしながら、いつものようにクイズ形式でたどっていきたいと思います。
-日本のドラム缶の大きさや寸法は「〇〇〇規格」で決められている-
■クイズ①
日本のドラム缶、大きさや寸法は「〇〇〇規格」で決められています。さて、「〇〇〇」のなかに文字を当ててください。
1955年頃になると、ドラム缶を作るためのさまざまな技術が進み、材料となる鋼板もコイル状で入手可能となりました。
さらに4年後の1959年には、日本で初めてドラム缶の製造をオートメーション化した工場が完成しています。
■クイズの答え
「JIS規格」によって大きさや寸法、耐久性などが標準化されたことで、運搬をスムーズにしたりオートメーション化したりすることが可能となり、合理化が進みました。
-日本経済が立ち直る時期にドラム缶の需要も伸びた理由は?-
■クイズ②
日本経済が立ち直る時期と同じくして、ドラム缶の需要もふたたび伸びはじめます。さて、その理由は?
日本の高度経済成長期は、1954年からとも1955年からとも言われ、とくに1955年から1973年までの18年間は、各年平均10%以上もの経済成長があったと言われています。
そのなかでも、ドラム缶の生産が飛躍的に伸びたのは、「岩戸景気」以降です。
■クイズの答え
石油を使った製品の生産量が増えたことから、ふたたびドラム缶の需要も伸びることとなりました。
-2018年度、ドラム缶の用途割合で75%近くを占めたものは何?-
■クイズ③
誕生から昭和の終盤ちかくまで、ドラム缶の用途を大きく占めていたのは、石油でした。さて、2018年度の用途割合で75%近くを占めたものは何?
誕生してから100年以上経つドラム缶ですが、考案された当時とほとんど変わらない形状だと言うのですから驚きですね。
いかに、考案者のネリー・ブライが優秀であったかを実感させられます。
■クイズの答え
ドラム缶の用途を占める割合は、昭和の後期以降、石油から科学へと変化しています。
その傾向は現在も続いており、2018年度、ドラム缶の用途割合を75%近く占めたのは「科学」となっています。
-まとめ-
今回で最後となる「ドラム缶の歴史をクイズ形式でたどる旅」、いかがでしたでしょうか?
本記事でクイズの答えを考えているうちに、ドラム缶への親しみや興味がわいたという人は、もう少し深掘りして歴史をたどってみるというのもおすすめです。
また、日本にはドラム缶を常設展示している博物館はないものの、過去には期間限定でドラム缶アートなどを展示した美術館などもあるようです。