エンジンオイルが足りないと摩擦係数は上昇してしまう
「摩擦」は、エネルギーのロスを生み、機械の摩耗などを起こさせるため、あまりいいものではありません。そのため、機械などを円滑に動かすためには、潤滑油と呼ばれるものが入れられ、摩擦をできるだけ起こさないようにしてくれます。エンジンオイルがなぜ必要なのか、それはこうした摩擦を防ぐためでもあります。潤滑油が金属同士の隙間に入り込み、膜を形成します。この膜が完璧であれば、摩擦や摩耗は発生しません。こうした状態を「流体潤滑」と言います。しかし、この流体潤滑はエンジンなどでは難しいものとされています。
そもそも金属の表面は人の目では平らに見えても、実際はかなりデコボコしています。それが擦り合わされる異常、摩擦が起きるのは当然です。潤滑油が入っているにもかかわらず、金属の表面同士がくっつくような状況が「境界潤滑」となります。摩擦係数で考えてみると、金属同士が直接接し合っている状態だと摩擦係数は0.3程度であり、境界潤滑は0.1、流体潤滑は0.01となっており、境界潤滑は流体潤滑に比べて10倍以上摩擦、摩耗が起きていることが言えて、エンジンオイルが足りないことで摩擦が起こりやすく、摩耗しやすいことが言えます。
摩擦係数を下げるには車に合ったエンジンオイルを
エンジンオイルの効果としては、摩擦係数を小さくし、円滑にエンジンなどを動かすことができ、摩耗を防ぐことが可能です。そして、焼き付きを防ぐことができるため、機械の故障などをエンジンオイルが食い止めることになります。他にも洗浄効果、防錆効果など様々なものがあります。エンジンオイルを選ぶ場合には粘度をチェックするだけでなく、季節や低燃費を重視するかどうかなどでも変わります。
大事なことは、その車に合ったものをチョイスすることですが、車によってはエンジンオイルの指定があります。合わないものを使えば、それだけエンジンを傷つけてしまうことにつながるためで、指定をされている場合には指定されたものを使い続けることが大事です。
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